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平成ライダーシリーズのストーリー構造分析

何となく、平成ライダーシリーズを振り返ってストーリー構造を分析してみようと思う。

ストーリーの面白さには色々な要素があるが、今回は構造的な要素での部分について分析する。燃え要素だとか、恋愛要素だとかの感情的な所に訴えかける部分は、個人差が大きいのでスルーする。一般的に、続き物のストーリー構造には、区分として大きな構造と小さな構造の2つあると思う。大きな構造というのは、全体を通しての目的とか結末に繋がる物で、小さな構造は1話ごとのスタイルに当たる。名探偵コナンで言えば、大きな構造は黒の組織との対決と体を元に戻すこと。小さな構造は、毎回殺人事件に巻き込まれてそれを解決するというスタイルだろう。

ストーリーは長編になればなるほど、大きな構造と小さな構造は両方優れたものでなければいけないと感じる。大きな構造がしっかりしていないと、目的地が見えずイマイチ盛り上がりに欠けてしまう。各話で積み重ねた先にある物が見えにくいからだ。逆に目的地がしっかりしていれば、次どうなるんだ!?とか、こっからどう最終目的に向けて逆転していくんだとか、そうしたストーリーの牽引力へと繋がっていく。小さな構造は、テンポを作る上で重要になる。パターンを作ることで、ストーリーのテンポを良くする。小さな構造がしっかりとしていなければ、ストーリーはグダグダになる。ストーリーに熱中させない、肩の力を抜いて惰性で魅せる型のストーリーでは、小さな構造のみで十二分に機能するものもあるが、ここでは仮面ライダーにおけるストーリー構造の分析なのでスルーだ。

まずは、基礎中の基礎として初代仮面ライダーを考えてみる。大きな構造は、世界征服を企む悪の秘密結社の打倒であり、小さな構造は怪人たちの各テロ活動の阻止だろう。やってることは、毎回怪人が暴れてそれを潰して行く過程で、たまに秘密基地潰したり幹部倒したりで組織自体を壊滅させる感じ。主人公と敵の両方の行動に意外に矛盾は無い。世界征服の方法としては矛盾はあるが。主人公の目的は、ショッカーの打倒である。単純明快だが、だからこそ仮面ライダーとショッカーはひたすら対立しつづける。所謂イデア的な悪と正義の二項対立だからこそ成立しうる構造であるともいえる。

怪人が人を襲う、攫う。で、ヒーローである主人公が怪人を殺害。一件落着。この小さな構造のスタイルが、肝といえば肝だろう。怪人の打破の延長線上に敵組織の打破がある。ストーリー構造が単純な所は、各怪人のデザインなどキャラクターの個性の部分で引っ張っていく。完成された、王道的スタイルといえるだろう。

それでは、平成ライダーシリーズの分析に入っていく。分析にあたり、もう一度見直したりしている訳では無く、記憶を頼りに書いているのでかなり雑になっているが、まぁそのあたりは雰囲気ということで軽く流して欲しい。




◆仮面ライダークウガについて。大きな構造は特に無い。というのは、主人公に敵集団であるグロンギ族を壊滅させてやるという明確な意志が無かったように思えるからだ。小さな構造は怪人たちの殺人ゲームの阻止だろう。全体として、人を守るだとか、平和だとか漠然とした主人公の意志はあるものの、基本的に自己防衛に近い。そもそも、主人公は成り行きで仮面ライダーの力を手に入れヒーローになっている。そこに明確な到達目的や、復讐などの個人的な強い動機は無い。だからこそ、怪人たちを全滅させて、やったぞー!!みたいな終わり方では無く、旅人ENDというふわっとした終わり方だったのだと思う。

ギミックとしては、ゲゲルという殺人ゲームがあった。謎の怪人が人を殺しまくるという所謂『悪』の存在を異種族の異文明という感じで表現していた。悪の組織という陳腐化した概念に変わる、新しい悪の在り方の提示だろう。主人公像、正義のヒーロー像としてはステレオタイプ型だったように思える。とにかく凄い良い人という感じだった。

◆仮面ライダーアギトについて。そもそも群像劇的な構造があり、単純な大小の2構造スタイルでは無かった。しかし、津上翔一視点で敢えていうならば、大きな構造としては記憶を取り戻すこと。小さな構造としては、人を襲う怪人の撃退という所か。ストーリーの随所に謎を散りばめ、群像劇化などの捻りを加える事で、従来の単純なストーリー構造を複雑で深みのあるものへと変形させているのが特徴だった。

とにかくギミックが多かったのが特徴だと思う。怪人が人間を殺しまくる理由も不明で、主人公たちが変身する理由も不明。大きな構造としては、主人公視点では自分の記憶を取り戻すことだと述べたが、全体的な視点では世界観に関する様々な謎の解明という感じだろう。敵も人間と同じ土俵の存在では無く、超自然的な高等存在であった。

◆仮面ライダー龍騎について。大きな構造は、サバイバルゲームを勝ち抜くこと。小さな構造では、参加者同士の対戦。これもまた、群像劇的な構造があり、ドラマとして見所も主人公が目的を達成出来るかというよりもキャラクター同士の関係性からくるドラマな部分が大きかった。所謂敵組織も存在せず、完全に同列な存在として、敵というよりも競争相手という形での敵であった。後に、悪いゲーム主催者という形で打倒するべき敵の存在が現れるが。これまでの、次々と目の前に現れる敵を倒して行けばそのうちおしまいという一本道型のストーリーから大きく変化して構造だと思う。

◆仮面ライダーファイズについて。大きな構造は特に無い。小さな構造としては、人を襲う怪人の打破。この作品もまた、群像劇的な作品である。全体像としては、人間とオルフェノクという種族間の対立が世界観としてあり、その対立構造に巻き込まれた人間たちの物語という部分が大きかったと思う。大きな構造は、特に無いといったが、主人公目線で強いてあげるならば人生の目的(アイデンティティ)の獲得という所だろうか。内面的な要素の上、かなりぶれまくっていた作品なので断定は出来ないが。主人公を含め、主要登場人物の中の数名のオルフェノクたちは、人間とオルフェノクとの間での様々な葛藤に悩んでいる。葛藤自体がメインテーマなので、大きな構造というか目的が見えにくい構造になっていると好意的な解釈も出来る。

ギミックとしては、敵組織がオルフェノクという一種の突然変異で生まれた人種であった点が特徴だろう。仲間を増やすために人を襲うという方法をとるという点、人間にたいしてマイノリティからマジョリティになるという一種の生存競争が、そのまま人を襲い世界征服を企む悪の組織の活動に合致している。構造的には、旧来の仮面ライダー的な善なるライダーと悪の組織の対立構造になっているにも関わらず、本質的には善悪の判断を付け難い単なる生存競争であるという点からして白黒つけにくい構造であり、ドラマとしての見所も二種族間での葛藤でありと、全体を通して明確な形が見いだせないのが良い所でもあり悪いところでもある。ラスト付近で急にグダグダな謎の展開になったのは、こうした白黒付け難い状況というもの自体がメインテーマであるのに、無理やり最終回というオチを付ける必要があったからだろう。

◆仮面ライダー剣について。大きな構造は、全てのカードの回収・封印。小さな構造は、怪人を倒してカードに封印すること。カードキャプターさくら的なストーリー構造だ。メイン構造は単純だが、トラブルメイカーの橘さんや様々な登場人物達が引っ掻き回しまくることで複雑性をだしている。怪人達は、人間体があったり無かったりと非常に定義しにくい存在で、全体的な印象としては明確な戦うべき敵との戦いというよりも、全体を通して頻発するトラブルと戦えというような印象。予測不能のトラブルを楽しむという新しい面白さのある作品だったような気がする。

◆仮面ライダー響鬼について。これは特殊な作品だと思う。というのは、メインである怪人とライダーの戦いが主人公の外側の話であるからだ。そういう意味では大きな構造も、小さな構造もはっきりとは無い。主人公である少年が、仮面ライダーを目指し、がっつり自分も戦いながら最終的に仮面ライダーになるという話であれば、まともな構造になると思うのだが。実際は、少年は仮面ライダーになるわけでもなく、何となく仮面ライダーやその周囲の人々と交流しながら、しているのかいないのか分からない成長をするという話だ。ライダーと怪人との戦いなど部分部分では面白いが、全体としてはボヤけた印象なのはそういったことが関係していると思う。

ガジェットとして、鬼や妖怪などをモチーフに取り入れていた。妖怪とは何となく人間を襲ったりする物という日本人の共通的な価値観がある。何となく人間にとっての害悪的な存在というのは、ショッカー以上にイデア的な悪であるため、これは正解いえば正解に近い。悪の存在や、悪の組織的な存在に何かしらの納得のいく説明をつけようとしてきたこれまでの平成ライダーシリーズとは真逆を行くアプローチである。だがしかし、童子・姫とはなんだったのか。結局のところは、ストーリー的には説明不足なだけの雰囲気に胡座を書いた作品であった印象も受ける。

◆仮面ライダーカブトについて。大きな構造は特になし。小さな構造は、襲いかかって来るワームの打破。メインのストーリーや設定などは雰囲気程度の飾りに過ぎず、登場キャラクターの個性やライダーのデザイン・アクションの格好良さが全ての作品であったと思う。余った時間に、唐突に襲いかかるワームとの戦闘シーンが挟まれるだけな回があったりと、完全に小さな構造ですらオマケに過ぎなかった。あと、敵が虫型エイリアンという、これまた妖怪と並んで感情移入の余地の無い、分かりやすい悪者である。というより、単なるモンスターに近い。人間体も無く、ほぼ個性の無い敵も殆ど。究極にカッコいい個性の塊の様な数名の仮面ライダーのみで構成されていたというのが、正解であり、もはや敵すらも飾りに過ぎないというスタイルなのだろう。

◆仮面ライダー電王について。大きな構造は特に無し。小さな構造は、仲間イマジン達との慣れ合い。ここまで来ると、敵の存在はおろか、仮面ライダーへの変身やカッコいい戦闘シーンすらもどうでもいい要素と化す。所謂仮面ライダー的なストーリーは、仲間が増えて行く過程でしかない。敵を倒すという行動そのものが、仲間とのコミュニケーションの手段と化している。かつてのシリーズでは、仲間など基本的に足を引っ張ったり、対立したり、トラブルを引き起こすだけのどちらかと言えば頼りにならないウザイ側面が大きかったが、この作品では違うようだ。

◆仮面ライダーキバについて。この作品は、過去編と現代編を並列進行させるという変わった試みがなされていた。過去編では、大きな構造としてファンガイアの絶滅。小さな構造としてファンガイアの戦闘。現代編では、大きな構造は無く。小さな構造としては共通してファンガイアとの戦闘。ほぼ過去編がメインであり、現代編は終盤に入るまで完全な空気でありひたすら迷走していた印象がある。

イマイチよく分からない存在であるファンガイア、そしてサポート要員であるモンスター族、謎の悪の組織ならぬ謎の正義の組織があったりと、全体的にフワフワとした曖昧な設定が目立つ。中途半端に、仮面ライダー的なストーリー構造へと退化した感じ。

◆仮面ライダーディケイドについて。大きな構造は、自分探し。小さな構造はパラレルワールド巡り。本質的には無いもの探し。存在しない物を、借り物で構成された虚構の世界を巡りながら探す話である。構造は一応あるものの、そこに実体は何一つ無く、ストーリーも無い。そんな変な作品。敵という敵もいなければ、キャラクターもいない。


平成ライダーシリーズを振り返ると様々にストーリーの構造や重点をおく部分などが変化してきている。敵味方の関係に注目すると分かりやすいだろうか。徐々に、悪の集団VS善のライダー→善悪の区別無し→『敵』の空気化→バトルの空気化→全ての空気化。こんな感じ。

◆仮面ライダーWについて。大きな構造は無い。小さな構造は、探偵モノ。探偵事務所に依頼が来て、事件を解決する過程でドーパントと関わりこれを撃破するという感じ。これまでで一番安定したスタイルだといえる。作品には、ディガルコーポレーションという悪の組織っぽいディガるコーポレーションという会社が出てくるが、これは敵組織なのかというと疑問が残る。主人公たちは、事件解決の過程で時折ディガルコーポレーションの人間と戦い、ディガルコーポレーションの製品を使って怪人化した人間と戦っているが、この会社を潰そうだとか、そういった意図があるようには感じない。

あと作中にはガイアメモリーという変身アイテムが登場する。ディガルコーポレーションは、これを製造販売している会社に過ぎず、個々の人間がこれを使って犯罪に走っているに過ぎない。ガイアメモリーの所持自体が犯罪なのかどうかがイマイチ分からないので、どうも悪の組織と言い切れるかに疑問が残る。しかも、仮面ライダーもガイアメモリーを使っているのだ。平気で刑事が使用している時点で、使う事自体は犯罪では無いような気がする。

Wの特徴は、敵が不在な点では無いだろうか。毎回ライダーにお仕置きされるのは、ガイアメモリーを購入し使用し犯罪に走る一般人である。上記のように園崎家の行為も犯罪なのかどうかがイマイチ不明である。悪そうな雰囲気はするが。また、園崎家が何がしたいのかがイマイチ不明な点も注目したい。これまでのシリーズだと、主人公たちの目的や行動原理が良く分からない受動的な事は多かったが、敵の目的は割とはっきりしている。殺人ゲームであったり、生存競争であったり、捕食であったり。という理由で、園崎家が主人公たちにとって間接的に敵対することはあるものの、別に敵では無いと言えるのではないか。あとWでは敵を殺さないのも特徴だろう。相手のガイアメモリーを破壊するだけである。

◆まとめ。
こうしてストーリーの大まかな構造を中心に比較してみた訳だが、一つのストーリーとしてではなく、何らかのテーマ・要素を重視した作品では、割と全体の構造は適当ということが分かった。あと活劇、キャラ萌え、世界観、人間ドラマなど、何がしたいのかで割と重視するところが違っているのも見て取れる。逆を言うならば、軸さえあっていれば要点以外は雑でも何の問題も無い。

あと、一見似たような仮面ライダーシリーズだが、敵味方の在り方や関係性など、作品ごとで違っているのは改めて振り返ると面白い。
by trial-6 | 2010-05-23 18:02 | 雑記

最近好きな作品

・信長の野望・創造(ゲーム)
・SimCity(ゲーム)
・獣電戦隊キョウリュウジャー(特撮)
・仮面ライダー鎧武(特撮)
・マギ(漫画)
・ONEPIECE(漫画)
・シグマフォース(小説)

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