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漫画 『項羽と劉邦』 感想

項羽と劉邦全12巻漫画文庫 (潮漫画文庫)

横山 光輝 / 潮出版社

スコア:



項羽と劉邦の話は好きだったけど、漫画版は初めて読んだ。漫画版ということで各キャラがより明確にキャラ立ちしていて読んでいて面白かった。あと、中国の歴史物語には人生教訓的な話が多くてその辺も読み応えがある。

端的にまとめると、世紀末覇者ラオウみたいな一騎当千の猛将の項羽が、ワンマン過ぎて部下の話を聞かずに余裕ぶっこいていると、最終的には特に能力は無いものの素直で人の言うことを良く聞くので優秀な部下が集まった劉邦に負けてしまうという話。

劉邦にしてみても、素直で周囲の進言を良く聞くという美点を描きつつも、才能はあるのに評判が悪く名声も無い韓信を信用せずに血筋と肩書だけの屑を信頼したりと、素朴で素直である事のダークサイドもちゃんと描いていて良い。田舎者故というか、単に肩書に弱いだけじゃないのかコイツ?みたいな所があるんだよね。敵がなまじ自分が優秀なせいでワンマンで周囲の話を聞かない項羽だったせいで運良く優秀なブレーンが集まってきたことに救われているんだけど。

あと、大元帥の韓信のキャラが良い。地味にこいつのストーリーも主人公的な性質があるなと気付いた。人徳で仲間に助けられる凡人型主人公が劉邦なら、不遇な天才型主人公が韓信だ。漢VS楚という構図もあるので、項羽と劉邦という対比にはなってしまうんだけども案外劉邦と韓信という2人の主人公のドラマとして観ても面白いのかもなーと思った。二人共、ド底辺から乱世の時代に機を得て出世していったという点で共通してるしね。

対比という点では、韓信と項羽の対比も良い。韓信は国士無双の称号を持っているレベルで最強なんだけど、あくまで軍略家として最強。それに対して項羽は個人が一騎当千の怪物で、先陣きって無双して士気をあげるせいで戦闘では最強という感じ。まともに対決すると誰も勝てないので、韓信も必死で策略を巡らせる感じ。

項羽に関しては、トップが誰よりも優秀なワンマン経営の中小企業っぽさが凄いリアル。ボスが一番最強という構造は割と少年漫画の悪役的でもある。ワンマン経営の駄目なテンプレが詰まってる感じで教訓的なんだよね。

あと、全体を通じて組織論的なものもチラホラして良い。韓信の俺は兵士なら何十万でも指揮できる、劉邦はせいぜい数万しか指揮できないだろうけど王として将校を指揮できるっていう発言もそうだし。あと、役職に対する性格と資質が明確に出てて良いなと思ったり。人の話を聞く素直な性格をしていないと部下は集まらないし、王は務まらない。猜疑心が強くてある程度性格が悪くなければ将軍は務まらない。どれも良し悪しあるんだけど、性格による向き不向きみたいなのが結構描写されてて面白いんだよね。劉邦の場合、農民にも兵士にも将軍にも適正は無かったんだけど王の資質があった。項羽は、兵士としても将軍としても適正はあるけど、王の資質はなかった。韓信の場合は、役人もできるし将軍もできるけど、一般農民は無理だし、政治家にも向いてない。

劉邦が調子こいて韓信と張良の2大軍師の進言をスルーした途端に、二人共離れていってその結果、歴史的大敗北したりとか。話聞く気ねーなこいつと判断した時点でさっさと見切りをつけちゃうあたりもリアルで恐ろしい。真面目な家臣ほど、必死に訴え続けて無視された上に逆に処罰されたりするパターンが多いから実は正解なんだけど。その辺のキャラごとの立ち回りとかも面白い。賢い的はそういう性格的な弱点を上手く付いてくるんだよね。

シンプルだけど、端的で深い人間描写が多いのが漫画版の一番の特徴かな。
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by Trial-6 | 2013-12-10 02:15 | 作品・感想

笑傲江湖 再考

武侠小説の構造を、ビッグブラザー、リトル・ピープルという視点で改めて解釈してみる。

まず、金庸の武侠小説の基本的な世界観というと、時代は国家が大抵異民族の侵入+政治腐敗とかで末期状態というのが特徴。で、舞台となってる江湖は複数の門派幇会が互いに正義と覇権を唱えてバトルロワイヤル状態にある。まさしく、ビッグブラザーが死につつありリトル・ピープル同士が争うという構図だ。

次に、武侠小説の独特のガジェットである『師父』について。一派の総帥であり、弟子にとっては父親以上に父性、父権的な象徴的存在である。

作中で主人公の、令狐冲は師父に残酷に裏切られ捨てられる。最後まで師父を信じようとするが、結局は裏切られる。これは、個人レベルでの父性への信頼の喪失、ビッグブラザーの死を意味する。

師父と共に帰属先をも失った主人公はさまよい、ヒロインと出会う。このヒロインは、魔教という強力な権力というかバックボーンを持つ。セカイ系作品的なヒロインでもある。

しかし、ここで主人公は、安易にヒロインを選択しない。冒険や、修行の結果主人公は、新たな自分のコミュニティを形成する。だが、そこで主人公は一派の総帥という、リトル・ピープル(小さな父)としての責任を迫られるようになる。

最終的に主人公の最後の選択としては、あらゆる権威、束縛から距離を置く自由というものだった。その束縛には、ヒロインというものすら含んでいる。

結末としては武侠ならではの選択という感じだけども、モチーフ的には父性への不信感、セカイ系的ヒロインとの出会い、リトル・ピープル的バトルロワイヤルと、ポストモダン的な想像力が一通り盛りこまれている気がする。
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by Trial-6 | 2011-09-25 03:11 | 雑記

ドラマ『大旗英雄伝』 感想

台湾製の武侠ドラマの『大旗英雄伝』を観終えた。長年に渡る2つの勢力の対立を軸に、主人公たちが和解の道を探るという話で、やはり最後は共通の強敵が出てきて平和のために共闘し、和解の切っ掛けになるという王道といえるまとめ方だった。

ラスボスにあたる、毒神というキャラが良かった。毒使いの飧毒大師というキャラが、弟子に毒を摂取させ続けて、毒神という全身が毒という最強の怪人を作り上げる。毒神は、完全に精神を大師に支配されていて、命令のままに襲い掛かる究極の殺人マシーンみたいな存在。毒神の禍々しい黒緑の気を体に纏っての同時に数人とのカンフーアクションがかなりカッコよかった。火炎放射器に囲まれての、一斉放射を内力で吹き返したり、毒気を含んだ内力を掌から放出して一気にザコ兵たちの顔がドス黒く変色してバタバタ死んでいく所とか、邪悪な超サイヤ人って感じで凄かった。そんな凄まじい毒神を作った飧毒大師が、ネズミ男みたいな顔と声の貧相なジジイで強いのは強いが、ラスボスなのに威厳なさ杉だなぁと思ってたら、案の定暴走した毒神に縊り殺されてて笑った。

そして最後は、これまでの怨恨や誤解などを全部清算して一気にハッピーエンドに向かったはずだったのに・・・。ヒロインは、入水自殺しちゃうわ、主人公もショックで一気に老化して孤独にのたれ死ぬはと酷すぎる。主人公たち以外は、みんな完全にハッピーエンドなのに・・・悲劇ってレベルじゃねーぞ。最後の最後になんてことしてくれるんだって感じ。実に主人公が救われない結末に。

あと、不思議に思ったのが中国の大河ドラマは全40話とか、41話がデフォということ。日本だと、一年通してのはだいたい全51話とかだから、この微妙な違いは何なんだろう?

それにしても、武侠ドラマは特撮としても良い。ワイヤーアクションの本場なだけあって、毎回の特撮バトルシーンが半端無い。モロにワイヤーな所も多いが、躍動感とスピード感が凄い。基本的に、俳優がみんな格闘アクション半端無いというのもあるけど。主演のイケメン若手俳優枠みたいなやつらもみんな動き凄い。火薬とかの使い方も、掌風で壁がボンッ!と吹っ飛んだり、水面が爆発したりと、ド派手な火を噴く爆発は無いが、攻撃の威力を見せる演出としての使い方が凄くいい。CGも、ショボイ分できるだけ効果的に必要最小限に留められてて、逆に良い感じ。
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by trial-6 | 2009-06-20 02:00 | 作品・感想

ロイヤルトランプ

周星馳の『鹿鼎記(英題:ロイヤルトランプ)』を観た。字幕無しの中国語で観たので何を言っているかは分からなかったが、原作を読んでいるので大体の内容は把握できた。原作の全8巻という長編をどうやって映画二本(ロイヤルトランプ1とロイヤルトランプ2からなる二部作)でまとめるのだろうと気になっていたが、蓋を開けてみれば映画化というよりコメディ調にしたパロディ作品になっていた。たしかにこれなら、大幅に簡略化されたストーリーでも問題はない。

ロイヤルトランプ1は、主人公と皇帝が奸臣オーバイを倒す所まで。第一部でのラスボス的な扱いだから仕方が無いのだろうけれど、オーバイが完全に人間をやめた化物じみた強さになっていて笑ってしまった。毒も効かない、切りかかると刀の方が折れる、素手で人の首もぎ取り、攻撃は大地を割る・・・明らかに人間では無い。たしかに原作でも強かったが、それは単に大人の武術家に子供の皇帝と主人公が立ち向かっていたから。映画では、話の都合上主人公も皇帝もすでに大人だったのでこうなってしまったのだろうか。

変に原作がある分、ある程度ストーリーなぞらなければいけないのでコメディに徹することも出来ず、ストーリー物にしては省略しすぎで中途半端になぞっているだけなので微妙なものに。他の周星馳作品と比べてもつまらない感じ。そして、やはり金庸作品は大河ドラマ向けだなぁとしみじみ感じた。

ついでにwikipediaでオーバイを調べてみた。少年時代の康煕帝が相撲の稽古に見せかけて一緒に稽古していた年少の側近達を一斉襲い掛からせ、父親の代から政治の実権を握っていたオーバイをボコボコにして排除したという話が史実らしくて驚いた。小説のように、その襲い掛かった内の数名はオーバイに撲殺されて死んだのだろうか。それにしても康熙帝は凄すぎる。
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by trial-6 | 2009-06-04 01:58 | 作品・感想

武侠文学の系譜

武侠小説への熱が再燃し、梁羽生の『七剣下天山』や古龍の『陸小鳳伝奇シリーズ』にも手を伸ばしてみた今日この頃。最近日本の伝奇小説の源流に興味があって、歌舞伎や読本を調べ始めていたこともあいまって、近代武侠小説が生まれた背景を知りたいと本屋を探索してみたところ、この本を見つけた。

漂泊のヒーロー―中国武侠小説への道 (あじあブックス)

岡崎 由美 / 大修館書店



徳間書店、金庸作品シリーズの監修をしている岡崎由美さんの本である。ちなみに、あじあブックスというレーベルで古典・漢詩コーナーにあった。割と盲点。

近代武侠小説の源流として、数々の伝奇文学や古典武侠文学が紹介されている。中国の古典文学を殆ど知らない我々にとっては資料価値があり、中国文学へ興味を持つ契機になる内容になっているのではないだろうか。やはり文化大国であったかつての中国、魅力的な作品の宝庫であると感じさせてくれる。

特に、一番面白く感じたのは武侠小説に登場する女性を巡る話である。金庸の武侠小説作品には毎回といっていいほど登場する武術ができる強気なツンデレヒロイン。これは単に作者の趣味かと思っていたが、そうではなかった。明朝時代からすでに中国の古典小説の世界にはジャンルとしての押しかけ嫁タイプのツンデレ美少女剣士が存在していたという驚愕の事実。しかも、時代的に一夫多妻制が存在するから素晴らしい。中でも美少女剣士が勝負を挑んできてお前に勝ったら嫁にしろと迫ってくる現象を『臨陣招親』といって、これは戦記モノの定番らしい。自分にかった強い相手に嫁ぐというのは『比武招婿』などは、『らんま1/2』に出てくるシャンプーなどのキャラで知っている人も多いのではないかと思うが、さらに上をいく『臨陣招親』などという物まであるとは流石としかいいようがない。こうして『臨陣招親』で山賊の娘やら、女剣士やらをゲットしつつ、押しかけ女房なシャーマンな異国の王女、皇室のお姫様なども嫁にして逆玉の輿やら戦力強化やらを繰り返して一家で戦う戦記モノが、明代に流行った『楊家府演義』らしい。あらすじ読むだけでも素敵なストーリーである。また、清朝の時代には勝気な姉御肌の剣士と深窓の令嬢のダブルヒロインパターンの恋愛武侠小説が流行したらしい。結局どちらか選ばねばいけない、現代とは違い両方ゲットできるという素敵な仕様である。完全にギャルゲの世界である。

というわけで、古くから武侠文学には強い美少女剣士というジャンルが確立されていたわけだ。中でも一番古いのは、唐の時代の『聶陰娘』。主人公の少女は10歳の頃に謎の尼僧に誘拐され、山奥にある少女暗殺者育成機関で育てらる。そして5年後、神仙の技を習得した少女は、夜な夜な悪人を殺す暗殺者として帰って来るという話。この時代ですでに斜め上のファンタジー小説である。

こうした素晴らしい中国の大衆文学文化であるけれども、文化大革命の時に徹底的に破壊されてしまったようだ。現在の、近代武侠小説は文革を逃れた香港で作られて中国に逆輸入される形で再びブームとして広がったらしい。古典の時点で、現代でも通用するようなエンターテイメント作品で溢れているのに、現状は海賊版だとかパクリなんかのイメージが付きまとってしまっている現在の中国。なんとも悲しい話である。

ちなみに『武侠』という単語は、実は明治に活躍した押川春浪という日本人冒険小説作家が作った造語で、これが中国に逆輸入されて定着したらしい。なんというトリビア。
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by trial-6 | 2009-05-22 02:23 | 雑記

『水滸伝 四~七』 北方謙三 (集英社文庫)

■だいたいの流れ

・李逵(鉄牛)登場。
・青面獣・楊志、暗殺される。
・新たなる軍師、聞煥章の登場で青蓮寺がさらにパワーアップ。
・宋江がついに梁山泊入りする。
・梁山泊と禁軍・青蓮寺、いよいよ本格的に対決。

そんな感じ。

■感想

どうしようもなく面白い。俺が思うに、中国の小説の凄いところは、キャラクターの多彩さだと思う。日本のキャラって、結構こう外見とかデザインに依存してる部分がでかいと思うだけれど、中国の小説・・・といっても、俺は武侠小説しか読んでないんだけれど、キャラクターの動き方の個性というか、差別化が凄いと感じる。そして、基本的に登場人物が多い。

水滸伝の場合、それぞれの得意な武器とかもそうだけど、みんなそれぞれ性格やら、信念やら色んな奴がいて、梁山泊に集まってる人間も、戦いが得意なやつもいれば、計算が得意なやつもいる、技術職みたいなやつもいて、それぞれがみんな持ち味をだして活躍してるのが凄い。戦闘を担当しているやつでも、林冲は槍に特化していて個人戦闘と騎馬では最強だけども、将軍のスキルは無くて部隊長しかできないし、楊志は剣での戦闘では林冲と並ぶ腕を持っているけれど、その持ち味は将軍として人を率いて訓練するところにあったりと、強さもいろいろで誰が最強とかそういうわけでもない。軍師にしても、直接現場で指揮するタイプや、奇策が得意なやつ、長期的な軍事というよりは政治が得意なやつと色々。ホントに、こう各人比べようがない魅力があって、そこが水滸伝の面白いところなんだと思う。俺は、特にこういう登場人物が凄まじい数でてくる話が好きな傾向があるので、クリーンヒットって感じ。

あと、そんなに目立つキャラではないのだが郭盛というのが梁山泊側の登場人物にでてきて、「おっ!?」っと思った。俺が好きな金庸の作品に、射雕三部作というのがあるんだけれど、その第一部にあたる『射雕英雄伝』の主人公、郭靖がこの郭盛の子孫っていう設定になってるんだよね。まぁ、郭靖の親父が、方天戟使ってるくらいしか共通点は無いのだけれど。それでもなんか、繋がってる感があって楽しい。今の所、郭盛はまだ未成年で、見習いで訓練とかしてるだけであんまり活躍は無いんだけどそのうち活躍するようになるんだろうか。

あと、なんだかんだで結構中国の時代小説読んできているけれど、一向に時代とか、王朝が何の次に何が来るとかは頭に入らない。どれも、王朝の移り変わり時の動乱を書いた作品ばっかなんだけど。


話は変わるが、なんとなくWikipediaで水滸伝のページを見てみた。どうやら、北方版水滸伝は現代風にかなり改変・修正されているみたいだ。モデルは、キューバ革命で青蓮寺のモデルはCIAらしい。これはこれで、面白いので全然いいのだけど。だがしかし、妖術とかが飛び交う原作に近い水滸伝も凄まじく読みたくなってきた。これはもう、北方水滸伝を一気に読んでさらにまた水滸伝読むという、恐ろしい時間消費レースが見えはじめてきたようだ。特殊部隊だったり、飛脚つかった情報網だとかも合理的で面白いが、敵味方の道士が方術合戦したり、呪符使って戴宗が高速走行するのもいいじゃない。そしてどちらか言うと、割と後者の方もかなり好きではある。
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by trial-6 | 2008-11-28 00:22 | 作品・感想

『水滸伝(二)~(三)』 北方謙三 (集英社文庫)

■内容

とうとう、梁山泊を乗っ取って本拠地に。各地の盗賊の砦も着々と梁山泊に連なる反逆者たちの手に落ちて新生していく。盧俊義の塩密売ルート、魯智深の反逆者ネットワーク、晁蓋を首領とし国家として動き始めた梁山泊と今まで長い間かけて準備してきたものがカッチリとかみ合わさっていよいよ反逆の歯車が回り始めたって感じ。特殊部隊の致死軍と、国家暗部の青蓮寺の戦いも凄い面白い。

とりあえず、青蓮寺が徐々に梁山泊のネットワークに気付き始めたった感じなので、これが完全にバレて正面から戦いが始まるのはいつかと読んでてワクワクが止まらない。

あと、呉先生が今の所優秀すぎる。呉先生が、誤先生へと変貌する日はくるのだろうか。
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by trial-6 | 2008-11-19 01:12 | 作品・感想

『水滸伝(一) 曙光の章』 北方謙三 (集英社文庫)

■内容

水滸伝の話を再構成して整合性のとれた物語にしたものらしい。正直、水滸伝は今まで呼んだことが無く知らないので、どの辺が凄いのかは分からないがその再構成っぷりが凄いらしい。正直、横山光輝の水滸伝どころか、ジャイアントロボでしか知らない俺にはどうでもいい話ではある。

内容的には、国家の腐敗を嘆く漢たちが、徐々に同士を募っていき反政府組織を形成していく。で、梁山泊っていう一種の国家を作り上げようとする。一巻はまだ少数精鋭の人材を集めていく所。こういう、豪傑たちが優秀な人間を集めて巨大な力に立ち向かうべく集結し何かを作り上げていくという姿は、熱い。何かこう男の胸を打つものがある。全十九巻らしく、先が見えないがこういうのは過程が長ければ長いほど最後には素晴らしい感動が待っているはず・・・!!

何となく、ちょっと前に三冊ほどまとめて買ってあったのを本棚からサルベージした。面白いが、こう時期が時期なだけに最後まで読めるのか不安。嵌ると一気に買い集めて読む習性があるが、今の時期にそれをやると確実に死亡フラグである。フラグという意味では、この本を読み始めた段階ですでに立っているのだが・・・・。
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by trial-6 | 2008-11-17 22:26 | 作品・感想

小説『天龍八部』 感想

天龍八部〈第1巻〉剣仙伝説

金 庸 / 徳間書店



とうとう天龍八部読み終わってしまった。八冊もあったのに結局、二日と持たなかった。残念。しかし、凄い面白かったぞ。次は鹿鼎記だな。

天龍八部は、今まで読んだのと違って主人公が複数人の群像劇形式だった。そのせいか、こう一人の主人公の成長にじっくり焦点が当たってるんじゃなくて所々話が飛び飛びになって残念だった。けど、その分いつものテンプレ主人公よりも、複数の主人公達がそれぞれキャラが立ってて面白かった。こいつ頑張れ!こいつ氏ね!みたいな感じで、一人ひとりに対しての思い入れもでかくなるから、やっぱこういう群像劇形式はいいな。金庸の小説のなかでも最高峰ってwikiに書いてて、序盤はなんぞこれ~もっと一人に絞ったのがいいとか思ってたけど、後半に差し掛かったころには成程、最高峰ってのもあながち嘘じゃないなって感じ。こう、主人公が一人の話は前半から後半への主人公の成長っぷりとか大逆転的カタルシスウェイブ!って感じのが読んでて楽しいけど、群像劇物は主人公達が最期に一同に会してみたいなのがいいな。ニアミスニアミスみたいな。それぞれが、こう成長しきって最期に再開、お互いに強敵にあたるみたいなの。
それから、金庸の女性キャラも今回また凄かった。段誉は、フラグ立てた女が尽く次から次へと後から腹違いの妹と判明して涙目だし。段誉の親父自重って感じだけど。あと、老人喋りの幼女とかも出てきて、マジ金庸恐るべしって感じ。サドの極みみたいな女も出てきたし。でも今回はツンデレは出てこなかったな。珍しく。しかしツンデレ、クーデレときてここに至るとは。これ40年まえの小説なんだぜ。
それはともかく、主役級じゃなくてサブ主役って感じだけど、俺は游担之ってキャラが好き。ドMってレベルじゃねー。『神鵰剣侠』で楊過がわざと女怒らせて怒鳴られたり、ビンタ張られて喜んでるのみてなんてドMって思ったが、こいつは鞭で殴られまくって、毒のまされて、顔面をDr.ドーム状態に焼かれて鉄仮面の刑にされた上に、ライオンに頭齧らされてと、完全に殺されかけてるにも関わらずひたすら超ドSの女に片思いで尽くしまくり奴隷状態という。最後には、失明しちゃった女に自分の目玉まで差し出したのにもかかわらず結局、最後まで思いかなわずカワイソスの極み。途中で、こいつも強力な内功と必殺技を修得して主人公達と並ぶくらいに強くなったから、これは此処から主人公の一人として活躍かと思いきや最期まで悲惨なまんまだった。マジ来世で頑張れって感じ。

それはともかく、この天龍八部は今までのとくらべて主に武芸面でかなりファンタジー色が強くなったというか、ドラゴンボールの世界に片脚突っ込んだというか。段誉の六脈神剣は完全に指先からレーザー出てるのと変わりないし、虚竹の生死符も、気で水から氷針作り出して穴道に飛ばして刺すとかいう無茶な技だし、游担之の氷蚕掌は毒とか言ってるけど思いっきり掌打に凍気こめて叩きこむ氷属性的な技だし、あげくの果てにはこれは最早、内力(気)でもなんでもないただのサイコキネシスだろって感じの少林寺僧とか出てくるし。他にも、攻撃として蒼炎を飛ばしてくるやつとか。何かが吹っ切れたんだろうか。この後の作品の笑傲江湖も割とそういうのがチラホラしてたし。ということは、鹿鼎記もなのかね。
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by trial-6 | 2008-02-17 15:24 | 作品・感想

金庸

最近のブーム。徳間書店の金庸フェアはじまるちょっと前くらいから、金庸の小説にどっぷりハマり始めた。内容的には歴史小説を基盤にしたエンターテイメント小説という感じ。武術の達人とかが、わんさか出てくる。読み応えのある長編小説が好きなので、その辺も嬉しいところ。ジャンル的には王道バトル系で、少年ジャンプ的な漫画が好きな人は是非読んでみたらいいと思う。結構古い作品なんだけど、王道は廃れずという感じで、めちゃくちゃ面白い。中国文学恐るべしって感じだ。なぜかヒロインが基本的にツンデレなのもいい。

参考:金庸公式サイト(徳間書店)

多少ネタバレ含んでるかもしれないけれど、とにかく作品数が多いので、これから読んでみようかと思う人向けに、各作品の大体の特徴とか。参考になれば幸い。

・書劍恩仇録[全4巻]
恋愛あり、バトルありで綺麗に纏まっている作品。主人公が、最初から割と完成されてる感がある。人間関係からのドラマ部分が中心。歴史小説寄り。武術バトルが結構硬派というか、他作品に比べると荒唐無稽さは少ない。

・碧血剣[全3巻]
歴史物。主人公は、非業の死を遂げた民衆の英雄の子供で、序盤で山に籠もっての修業してステータスMAX状態になり、さらに邪道の伝説の流派も偶然身につけちゃって正邪ともに精通して武芸的に最強状態から山を降りて本編スタートという感じで、どうしようもないくらいに最強主人公系。色々トラブルに巻き込まれたりするものの基本チートプレイならではの余裕感がある。だが、それが良い。

・侠客行[全3巻]
まきこまれ型主人公。単なる乞食の子供だった主人公が、ごたごたに巻き込まれていくうちに、武林最強の侠客に成長してしまうという話。そして、最後に自分の出自を知るのだが・・・。最強に成長して、己の出自の秘密が判明しそうになった瞬間に話は終わってしまうので、主人公の最強になってからの活躍とかは一切見れない物足りない話。金庸武侠小説ならではの、棚ぼた式急成長という様式美だけを抽出したような作品。上級者用。

・連城訣[全2巻]
まきこまれ型主人公。陰謀に巻き込まれて、これでもかと言うくらい精神的にも肉体的にもフルボッコにされ、恋人は寝取られ、親同然の存在には裏切られ、監獄に入れられ、もうどうしようもないくらいに悲惨な主人公の話。マゾの極みみたいな救いの無いストーリー。武侠小説のパターンとして、大抵の場合は、これでもかと言うくらいにどん底まで落ちてから大逆転というカタルシス溢れる展開があるので、大抵は不幸な展開には期待感が伴うのだが、この作品はそのどん底な不幸展開のみを抜粋したような作品。上級者向け。

・秘曲 笑傲江湖[全7巻]
一昔前、江湖(中国武術界)で最強の名を馳せた流派・辟邪剣法の秘伝書を巡って江湖中を巻き込んだ騒動に主人公が巻き込まれていくって話。おそらく登場人物が一番多くて、出てくる武術の流派も一番多い、バラエティにとんだ作品。中の上くらいの主人公が、陰謀に巻き込まれてフルボッコになったあげくに、最後は色んな奥義を習得しまくって最強に成長していくという王道パターン。とにかく、バトル物として特化したストーリーで達人が大量にでてくるし、技も多彩な上に、秘伝書を巡るミステリー展開もあって、読んでいて飽きない。エンターテイメント性は一番で、金庸の武侠小説の面白さの精髄も味わえるので、初心者にはこの作品がオススメ。



・射雕英雄伝[全5巻]
頭が弱くて、実直まじめだけが取柄の主人公が中国最強の英雄にまで成長していくという話。親世代からの因縁など、“宿命”という部分をテーマにしている。脇を固めるキャラクターも個性派揃いで良い。主人公の、生まれる前からストーリーは始まり、幼少期からきっちりと成長過程が描かれていくので、師と出会い、ライバルと出会い、恋人と出会い、というような王道の成長ストーリーとしてはピカイチ。

・神雕侠侶[全5巻]
射雕英雄伝の続編。前作での宿敵の息子が主人公。主人公は、前作とは真逆で、ひねくれ者で天才肌だが、不幸の連続で、逆境続きの不遇な人生を送り続けるが、最後は英雄となるという話。ヒロインはレイプされるわ、隻腕になるわ、ヒロインと生き別れになるわで不幸の連続。しかし、前半の不遇な境遇の分だけカタルシスも大きくて読んでて楽しい大逆転サクセスストーリー。この作品も、主人公の幼少期から成人するまでが描かれる他、前作の主人公も父親的なポジションで登場するので二重に楽しめる。続編という点には注意。

・倚天屠龍記[全5巻]
神雕侠侶の続編。といっても、100年後くらいが舞台なので登場人物的なつながりは殆どなし。いちおう、今作からでも読めるが、射雕英雄伝から読んだほうが面白いのは言うまでもない。今作は、主人公の両親の馴れ初めから始まり、とにかく丹念に主人公の成長過程が描かれる。さらに、秘境冒険譚の要素が入っているのも特徴。他作品とは違って、武術の他に、医術を習得していたり、教団のリーダーとなったりと、主人公が侠客タイプではないのも特徴。また、ヒロイン一筋な主人公が多い中、主人公が女性に対して優柔不断で女難とはこの事というようなストーリーが全編通して展開される。

・鹿鼎記[全8巻]
アンチ武侠小説とも言うべき、変則的な内容。侠客の風上にも置けないような、ゲスでヤクザで碌で無しな子供が主人公で、運とインチキで、江湖と宮中の頂点まで登りつめていくという、破天荒なサクセスストーリー。武侠小説のお約束に慣れていれば慣れているほど、面白い作品。主人公像が、何から何まで他作品の主人公とは正反対で楽しい。軽く碧血剣とリンクしているので、そちらを先に読むのがオススメ。

・天龍八部[全8巻]
主人公が複数いる、群像劇型で金庸武侠小説の様々な主人公像や要素を一つにまとめたような豪華な作品となっている。武術や内功が、一番ぶっ飛んだ荒唐無稽なものになっている点や、ギャルゲー並に義妹系である点なども特徴。義理、ヤンデレ、ツンデレ、幼なじみ、ババァ幼女、侍女、女だらけのハーレム教団など、女性キャラのバリエーションも半端ない。


以上、金庸の長編まとめ。個人的には、笑傲江湖→射雕3部作→天龍八部or碧血剣or書劍恩仇録くらいの順番がオススメです。
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by trial-6 | 2008-02-02 10:19 | 作品・感想

最近好きな作品

・信長の野望・創造(ゲーム)
・SimCity(ゲーム)
・獣電戦隊キョウリュウジャー(特撮)
・仮面ライダー鎧武(特撮)
・マギ(漫画)
・ONEPIECE(漫画)
・シグマフォース(小説)

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